警察学校の厳格な教官、風間公親を木村拓哉(53)が演じるシリーズの完結編となる映画「教場 Requiem」(中江功監督)が20日から公開される。令和2年のフジテレビ系スペシャルドラマに始まり、連続ドラマ、配信、そして映画へ。異例の展開をたどったシリーズの締めくくりについて、木村に聞いた。
■読めない存在
刑事指導官だった風間は、捜査中の襲撃で右目と部下を失い、より強く正しい警察官を育てる道を選び、教官となった。右目は義眼。生徒の資質を見抜き、「君にはここを辞めてもらう。いつにする? なんなら今でもいい」と容赦なく退校届を突きつける。
木村は「体重をどちらかの足に預ける立ち方をしたことがなかった」というが、確かに風間は体の軸を仙骨の上に乗せ、常に背筋を伸ばしている。
私生活は描かれず、木村も「職場にいる彼しか知らない」という。演じるに当たり、風間の〝履歴〟を掘り下げなかった。他の役との大きな違いだが、「生い立ちを知ったところで、彼が全てを見通す能力を持つに至った経緯が分かるはずもないから」と語る。
むしろ、木村自身の風間に対する驚き、違和感を芝居に投影した方が、風間を「読めない存在」として視聴者に届けられるのではないか。そう考えた。
■団らんの時間にこれ?
最初のスペシャルドラマ「教場」が、フジの「開局60周年特別企画」として令和2年1月4、5日に放送。3年1月3、4日にスペシャルドラマ「教場Ⅱ」(フジ系)が続いた。
見る人をすくませる暗黒の世界観のドラマ。木村は「新年のだんらんの時間にお届けする作品ではなかった」と苦笑するが、教官になるまでを描いた連続ドラマ「風間公親 教場0」(5年、フジ系)も作られ、新作「教場 Reunion」のネットフリックスでの配信が今年元日から始まった。
先行して昨年11月から過去作も配信中で、木村は「すべて〝陳列〟し、いつ〝来店〟していただいても見てもらえるシステムを使わせてもらった」と配信について語る。
■句点を打った
映画は、その新作の後編に当たる。第205期生が卒業式を迎えるが、予想外の事件が発生し、風間が最大の危機に陥る。
コンプライアンスの時代にあって風間の指導は厳格だが、木村は「山を登っている最中は苦しいけど、登り切らないと見えない景色や表情がある。風間と生徒たちがどんな道を歩き、どんな荷物を抱えてきたか。目撃者となって見届けてほしい」と呼びかける。
「これで句点を打った」という完結編。風間とはお別れだが、「エンターテインメントの一参加者として、次にどんな作品、現場に招いてもらえるか、ワクワクして待っています」と笑った。
