《海辺のカフカ》摘译47章(9)
ハーブ茶をふたつつくり、カップに入れて食卓に持っていく。僕らは食卓をはさんで向かいあう。開いた窓から鳥の声が聞こえてくる。蜂はまだガラス窓の上で眠っている。
沏了两杯香草茶,倒进茶杯里并端放到餐桌上。我们中间夹着餐桌面对面。从打开的窗子传进鸟叫的声音。那只蜜蜂仍在玻璃窗上睡着。
佐伯さんは最初に口を開く。「今ここに来るのも、ほんとうのことをいえば、そんなに簡単なことじゃなかった。でもどうしてもあなたと会って話をしたかったの」
佐伯首先开口说话。“现在到这里来,要说真正的目的,也不是那么简单的事情。总想和你见面说说话。
僕はうなずく。「会いに来てくれてありがとう」
我点头。“能过来到这里见面,非常感谢。”
彼女はいつもの微笑みを口もとに浮かべる。「それは私があなたに言わなくてはならないことよ」と彼女は言う。その微笑みは少女の微笑みとほとんど同じだ。でも佐伯さんの微笑みのほうが少しだけ深みがある。そのわずかな違いが僕の心を揺らせる。
平时的微笑浮现在她的嘴角。“那是应该我对你说的话。”她说。那个微笑和少女的微笑几乎相同。但是佐伯的微笑则更深一点。那稍微的差别打动了我的心。
佐伯さんは両手の手のひらでカップを包みこむようにして持っている。僕は彼女の耳の真珠の白い小さなピアスを眺める。彼女は少し考えている。いつもと比べると、考えるのに時間がかかる。
佐伯的两手像拿着包那样捧着杯子。我看着她耳朵上珍珠白色的小耳坠。她在思考中。和平时相比,虽在思考但却要花费时间。
「私は記憶をぜんぶ燃やしてしまったの」と彼女はゆっくり言葉を選びながら言う。「すべては煙になって空に消えてしまった。だからそんなに長くはいろんなことを覚えていられない。いろんなこと、すべてのこと。あなたとのことをも含めて。だから少しでも早くあなたに会って話をしたかったの。私の心がまだいろんなことを覚えているうちに」
“我把记忆被全部燃烧了。”她慢慢地选择着语言说着。“全部变成烟云消失在空中。所以就不能记那么长时间的所有的东西了。各种事情。所有的事情。包含和你的事情。所以想尽快与你见面说话。趁着就在我的记忆中还记着各种事情之时。”
僕は首を曲げて窓ガラスの上の蜂を見る。窓の敷居に黒い蜂の影が、点となってぽつんと落ちている。
我扭过头看着窗玻璃上的蜜蜂。落在窗上的黑色蜜蜂的影子,变成点落在那里。
发布于 日本
