【読売新聞】日本航空石川の応援席、敗退した近江の吹奏楽部66人が参加…交流のきっかけはカンボジア
選抜高校野球大会で23日に初戦を迎える日本航空石川(石川)の応援に、近江(滋賀)の吹奏楽部66人が参加する。能登半島地震で大きな被害を受けた日本航空石川を気遣い、両校の関係者がカンボジアでともにボランティア活動をしていた縁から近江側が申し出た。近江はすでに大会で敗退したが、当日は力を合わせて選手を後押しする。(森知恵子)
石川県輪島市にある日本航空石川は地震で学校が使えなくなり、野球部員や吹奏楽部員ら一部生徒が山梨県の系列校に避難。吹奏楽部員は教室の段ボールベッドで寝泊まりして練習してきた。地震の被害により地元を離れられない生徒もいる。選抜出場校が決まった1月26日、被害を心配した近江の吹奏楽部顧問、樋口心さん(48)が日本航空学園理事長補佐を務める旧知の佐久間京子さん(57)に「できることがあればお手伝いさせていただきたい」と伝えた。
2人は8年前、東京のNPO法人によるカンボジアでのボランティア活動に参加していた。現地の学校を訪れ、子どもたちが授業を受ける様子を視察し、文房具などを届けた。児童養護施設も訪問。持参した紙風船やシャボン玉で子どもたちと遊んで交流したりもした。樋口さんはボランティアや国際交流に関心が強く、佐久間さんも海外で経験を積むために参加していた。
樋口さんから連絡をもらった佐久間さんは涙を流し、「カンボジアで学んだ困っている人に手を差し伸べるボランティア精神が息づいていると感じた。優しさがありがたかった」という。
23日の試合には山梨の系列校に避難した日本航空石川の吹奏楽部員13人が駆けつける。これまでの甲子園出場時より小規模で、山梨の系列校の生徒も含め100人程度だった応援団も50人程度となる。一般住民への応援の呼びかけも見合わせたため、近江の吹奏楽部は心強い存在となりそうだ。
22日に近江で合同練習を行い、本番に臨む。日本航空石川の応援でよく使われる曲「浪漫飛行」などを演奏する予定だ。近江吹奏楽部部長の三国萌桃乃さんは「被災して応援にこられない方の分も精いっぱい応援したい」と述べ、石川県輪島市出身で日本航空石川の吹奏楽部部長、九尾結月さんは「大変ありがたく、感謝している。能登の人たちへの思いを込めて演奏したい」と話している。
